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パリで11日まで開かれていた「AIアクションサミット」の会場=2025年2月10日、宋光祐撮影

 日本政府は11日、人工知能(AI)の活用や開発に対する人権保護や透明性の確保の原則を定めた欧州評議会の国際条約に署名した。外務省が同日、発表した。

 欧州評議会はフランス東部ストラスブールを拠点に人権保護や民主主義などの問題に取り組む国際機関で、46カ国が加盟している。今回の条約はAIに関する初の国際条約として、昨年5月に採択された。日本はオブザーバー国として2022年から条約交渉に参加していた。

 条約は、AIを利用する活動から生じる人権侵害の防止や責任あるAI開発を促すことが目的。AI活動で人権や民主主義が損なわれないように締約国に対してリスク管理や防止策の立法化などの具体的な措置を求めている。

 外務省によると、11日にはパリで開かれていた「AIアクションサミット」に合わせて署名式があり、松本尚外務政務官の立ち会いの下で、下川真樹太駐フランス大使が条約に署名した。同省は条約への署名について「AIをめぐる国際的な枠組みの議論に貢献する積極的な姿勢を内外に示す」としている。

 欧州評議会によると、同日には日本と同じオブザーバー国のカナダも署名した。両国の参加で条約の署名を済ませたのは欧州連合(EU)や米国など13の国・機関になった。

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